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登山ガイドオフィス サントレイル / 石島竜平の山道ブログ

アバランチビーコン講習

新型コロナウィルスで世間は大変なことになっていますね。世間全体として、もう少し心に余裕を持ちたいですね。

 

 

さて、今年は暖冬でどこのスキー場も雪不足。

 

スキーや雪山登山をしないひとは、屋根の雪下ろしや雪掻きが無くてハッピーかもしれませんが(´-`).。oO

 

 

 

今回はBCスキーや雪山登山に必携する、三種の神器と言われるアバランチビーコン、プローブ、ショベルの使い方講習です。

 

先日、白馬にてBCスキー中に雪崩事故に巻き込まれて1人が完全埋没したそうです。

 

ビーコンは所持していたそうですが、出発時にビーコンチェックを怠ったようでスイッチはオフ。

それでも近くにいた方々のプロービング捜索によって、3時間後に無事救出されたようです。

 

完全埋没でビーコンがオフだったにも関わらず助かったのは、エアーポケットなどの条件に恵まれたそうです。

 

通常であれば、埋没から15分以内に救出しないと生還率がグッと下がってしまうと言われるので、BCスキーや雪山登山に行く際は必ずビーコンを携帯しましょう。

もちろんオンにした状態で。

 

 

 

話は戻って今回は東京からのお客さん!

 

ビーコン、プローブ、ショベルを購入したが、使った事がないので教えて欲しいとの事でした。

スキーもしたいという事だったので、雪を求めて遥々志賀高原まで来ていただきました。感謝感謝です。

 

1日目はお昼過ぎまで一緒にスキーをして楽しみ、宿で温泉に入ってから部屋で事前の講習。

2日目は実際に雪上に行き、ビーコンやプローブの捜索練習。

 

1日目は1800mを超えるスキー場でも夕方から雨予報。14時ごろにスキーを切り上げ大正解。駐車場に戻ったタイミングで雨が降り始めていました。

 

その後、宿に戻り温泉でゆっくりしたあとに、雪崩についてや、ビーコンの特性、ビーコンを使用した捜索の流れを机上で勉強。

 

翌日は湯田中の宿を8時半頃出発しましたが、志賀高原への山道が渋滞の模様。

ノーマルタイヤなのか、登れなくなった車が道の途中でチェーンを巻いていたのが原因です。しかも1台、2台の話ではなく、10〜15台くらいはいたと思います。

 

皆さんチェーンは急坂の前にあるチェーン着脱場で装着しましょう。

 

 

渋滞を抜けて、スキー場近くの雪上で講習です。

 

①雪山に入る際のビーコンのチェック方法

②プローブの使い方

③ビーコンの使い方

④捜索の流れ

 

こんな感じの内容で講習をさせて頂きました。

 

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百聞は一見にしかず!

 

机上で説明を聞くだけだと簡単そうに感じますが、実際にやってみるのとでは違います。

 

5分で見つけて10分で掘り出す。

トータル15分以内の救出を目指すわけですが、その難しさも感じられます。

 

とくに掘り出し作業は想像以上にキツい作業です。実際、50cm埋没しているだけでも、1人で15分以内に掘り出すのは大変です。

 

BCに入る以上、雪崩にあう可能性は誰にでもあります。

その時に少しでも生存確率を上げるために、少なくとも3人以上で入ることが大切です。

 

 

実際に練習することで、ビーコンの使い方を確認するのはもちろん、雪崩の怖さを考えることが出来ます。

毎年シーズン始めに1回くらいは練習したいですね。

 

 

 

最後はおまけ程度に、スノーソーで雪のブロックの切り出しもやりました。


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これが結構楽しいんですよ。

テントの周りに風除けを作ったり、イグルーを作って遊んだり!

いくつなっても雪遊びは楽しいものです。笑

 

 

 

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長野県安曇野市在住の登山ガイド。

関東近郊の低山から憧れの北アルプスや南アルプスまで様々な山をご案内いたします。登山未経験者の方もお気軽にお問合せ下さい。