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登山ガイド sAn trail / 石島竜平の山道ブログ

死なない程度に

クリスマスも終わり、いよいよ今年も残すところあと僅か。

 

年越し登山をする予定の方もいるんじゃないでしょうか。

 

年末年始はまとまった雪が降る?とテレビで言っていたような気がしたので、くれぐれも遭難にはお気を付けください。

 

 

 

登山業界では、、??

「死なない程度に、死ぬような思いをするといい」

と言われています。(← たぶん。笑)

 

 

 

 

最初に言っておきますが、もちろん死んじゃダメです。

そしてケガもしないに越したことはありません。

 

だから一番いいのは、怪我せず、無傷で死ぬような思い(体験)をする!

これに限ります!

そんなに都合よくいきませんが。。。笑

 

 

 

登山の先輩方の話を聞いていると、経験が長い分、色々な体験をされています。

滑落したり、雪崩に流されたり、沢やクライミングでグランドフォールしたり、単純に転んで怪我したり。

 

どれも一歩間違えたら死んでもおかしくないことばかり。

でも、皆さんいい経験になったと言います。

 

それは、そこから色々なことを学んで、次に活かせたり、人に伝えられるようになったから。

 

もちろん事故やケガはしない方がいいんですが、百聞は一見にしかず!

人ってやっぱり1回経験してみないとわからないんですよね。

 

 

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殺生ヒュッテから見た槍ヶ岳
 

 

 

 

死ぬほどっていうと大げさなんですが、かくいう自分も山でやらかしたことがありました。

 

 

今から10年ほど前、私が登山を始めたばかりの頃。

その時憧れていた槍穂高の縦走に友人と出かけました。

 

夜行バスで新宿を出発

1日目 朝6時前に上高地についてそこから殺生ヒュッテのテン場へ。

2日目 殺生から槍に登って、南岳山荘へ。

3日目 雨で停滞。

4日目 大キレット奥穂高岳〜重太郎新道〜岳沢小屋

5日目 岳沢小屋〜上高地〜新宿

 

 

やらかしたのは4日目のこと。

 

キレットを朝一で越え、北穂高岳涸沢岳を過ぎて穂高岳山荘で大休止。

穂高岳山荘から奥穂に登り、奥穂から前穂へ向けて吊り尾根を下っているときに気が付きました。

穂高岳山荘で水の補給をし忘れたことに......。

 

この時点で水の残量はほとんどゼロ。

ハイドレーションを使っていた為、残量に気付くことができ増せんでした。

 

友人も同じく補給していなかったのですが、岳沢小屋までなら何とかなるくらいの水は残っていました。

でも分けられるほどの水は残っておらず、、。

 

 

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岳沢への下り

 

 

 

8月初旬の13時頃。晴れ。

最高に暑い時間に水がない地獄。

岳沢小屋までのCTは3時間半ほど。

 

水が無い。そう思えば思うほど水が飲みたくなる不思議。

水がないと行動食もノドを通らない。

 

歩いている間中は、とにかく水が飲みたくて飲みたくて飲みたい。

死にたくないなぁとか、ヘリのお世話になっちゃうのかなーとか、色々なことを考えました。

 

それでも、脱水で苦しみながらもどうにかこうにか、自力で岳沢小屋へつき、事なきを得ることができました。

岳沢小屋に着いた時にはすでに18時を回っていました。

 

 

 

反省点は山ほど。

  • 確認不足
  • 自分の力、体力を過信していた
  • 無駄な荷物が多く、重かった。
  • 山で4泊するのは初めてで、後半は疲れが溜まっていた。
  • 停滞で4日目の行程が長くなった。
  • 行程がカツカツだった。
  • 穂高岳山荘に戻る考えがなかった。
  • ハイドレーションのデメリットを知らなかった、考えたことがなかった。

 

 

 

水が飲めないことが、こんなに辛い物なのかと、心の底から思い知らされた出来事でした。

 

 

この経験をしたからこそ、その後は水も食料も絶対に切らさないように気を付けています。当たり前のことなんですけどね。笑

 

 

是非皆さんも、死なない程度の良い経験を~

 

 

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岳沢湿原 

 

 

 

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長野県安曇野市在住の登山ガイド。

関東近郊の低山から憧れの北アルプス南アルプスまで様々な山をご案内いたします。

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