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登山ガイドオフィス サントレイル / 石島竜平の山道ブログ

ショウジョウバカマとスプリングエフェメラル

 

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ショウジョウバカマは早春に咲く花の一種。

 

「春のはかない命」

「スプリングエフェメラル」

と呼ばれる植物の一つです。

 

 

 

ショウジョウバカマ以外にも、フクジュソウやカタクリ、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、セツブンソウなどもその仲間。

 

 

 

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フクジュソウ

 

 

 

スプリングエフェメラルの特徴は、樹木が葉をつけるずっと前の雪解け直後に花を咲かせます。

そうすることで、昆虫たちを独占し、受粉効率をあげているそうな。

 

花は短い期間で終わり、大きな樹木たちが葉を付けるまでの間に光合成をして栄養を蓄え、樹木たちが葉をつける頃には枯れて、球根や地下茎のみになります。

 

次の春先までは地下茎や球根で過ごすため、地上に姿を表すのは、1年の内の2ヶ月〜3ヶ月程度の短い期間だけという不思議な植物たち。

 

 

 

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ショウジョウバカマの群落

 

 

ただスプリングエフェメラルの中でショウジョウバカマだけは特殊です。

葉を枯らさない常緑の多年草のため、1年を通して葉っぱは地上で見ることができます。

 

 

 

ショウジョウバカマという特徴的な名前は見た目に由来しています。

 

ショウジョウとは中国に昔から伝わる架空の生物のことで、猩猩(しょうじょう)と書きます。

オラウータンのような猿のような生物のようです。

ジブリ映画「もののけ姫」の中にも猩猩は登場しますが、その時はゴリラのような生物でした。

 

 

でもなんでこのお花の名前に猩猩とつけられたのでしょうか?

 

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ショウジョウバカマ

 

日本の伝統芸能である「能」に、「猩猩」という演目があります。

その演目の猩猩の装束が真っ赤であったため、その印象から猩猩=赤色に印象付けられました。

そこから赤いものを指すようになったと言われています。

 

ショウジョウバカマはちょうど赤い花の部分が猩猩の頭、根生葉をハカマに見立ててこの名前になったようです。

 

 

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ザゼンソウとミズバショウ

2020/4/6

 

世間は新型コロナウィルスで大騒ぎ。

不要不急の外出自粛が求められていますね。

 

 

松本安曇野あたりでは、まだ感染者が少ないせいなのか、今日もマレットゴルフ場ではおじいちゃんおばあちゃんたちが大勢で楽しんでいました、、。

 

 

 

さてさて、そんななか自分はというと。

妻と一緒に自然観察がてら、近くの湿原をのんびり散策。

 

一番の目的はザゼンソウ。

 

 

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僧侶が座禅を組む姿を連想させることからこの名前がついたそうです。

 

 

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中央の丸い部分が花序(肉穂花序 / にくすいかじょ)。

花序の黄色い部分が一つひとつの花です。

 

周りの赤紫色の部分は仏炎苞という大型の苞です。

仏像の後ろにある背景、「光背」に見立てて「仏炎苞」というのだとか。

光背は仏様にさす後光を表現したもの。

 

炎という字が入るのはよくわかりませんが、

不動明王などの光背は、怒りを表現するために「炎」の形をしているので

このあたりから「仏炎苞」と書くのかもしれません。

 

仏炎苞はザゼンソウやミズバショウなどのサトイモ科の植物に見られます。

 

この日は、咲き始めのミズバショウも見られました。

 

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ミズバショウ

 

ザゼンソウと同じく、中央が花序で周りの白い部分が仏炎苞。

 

 

 

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こっちの方がちょっと咲いてるかな?

 

 

 

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ミズバショウの群落

 

ついでにショウジョウバカマの群落もみられちゃいました。

 

 

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ショウジョウバカマ

 

葉を袴(はかま)にみたてた名前。

 

 

 

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 距離があって写真は撮れませんでしたが、リュウキンカも少し咲いていました。

 

これから来る花の季節が待ち遠しいですね〜

 

 

 

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BCクロカン

2020/3/22

 

少し前のことですが、お客さんと一緒に志賀高原でBCクロカンを楽しんできました。

 

BCクロカンは通常のバックカントリースキーとは違って、

雪山に登るというよりも、山の麓やスキー場近くの森や雪原を楽しむ道具と思ってもらうといいと思います。

上級者であれば難しいところに滑りに行ったりもするのかもしれませんが。

 

BCクロカンとは、ザックリいうと雪の上を歩けるスキー。

 

普通のスキーとは違ってプラブーツではなく革靴です。さらにカカトも固定されていません。

そして板には後ろ方向に滑らないような鱗状の加工があります。

 

 

 

そのため、前には滑れるけど後ろには滑らないようにできているので、歩くことができます。急坂でなければ登ることも可能です。

 

文章で説明しても、ちょっと伝わり辛いかもしれませんね。

 

 

下の写真のカカト部分に注目!

 

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 こんな感じでカカトが固定されていないんです

 

 

 

BCクロカンのいいところは、なんといっても歩行性と滑走性の両方が備わっていることです。

 

 

通常のBCスキー(バックカントリースキー)ではシールという滑り止めをスキー板に貼り付けて登り、下りの滑走時にはそのシールを剥がして滑ります。

 

そのため、アップダウンがある場所では貼ったり剥がしたりが面倒というデメリットがあります。

もちろんメリットは板に滑止めの加工がなく、ブーツが固いので滑走性が高いこと。

シールを使えば斜面を登る力も高くなります。(BCクロカンでもシールは使用できますが)

 

 

それに対して、BCクロカンは板自体に後ろ方向への滑り止め加工がされているので、面倒なシールの着脱の必要がありません。

そのため、細かいアップダウンがあっても何も使わずに登ったり滑ったりできるんです。ただ滑るのは通常のスキーよりも難しいです。

 

 

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スキーを履いたまま登ったら ↓ ↓ ↓

 

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ひゃっほー

 

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緩斜面でも楽しめちゃう

 

 

滑らなくても、森の中や雪原を歩くだけでも楽しめちゃうのがBCクロカンのいいところ。

 

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雪の上を歩いて楽しむ道具で有名なのがスノーシューだと思います。

 

 

BCクロカンも同じように雪の上を散策して景色を楽しむこともできますし

さらに滑って楽しむこともできるので、二度楽しい!

 

 

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誰でも楽しめちゃうBCクロカン!オススメですよ〜

 

 

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